肉料理の適正温度とは

低温調理

近年流行っている低温調理。

お店みたいにお肉を柔らかく調理したい!そんな事を思った事ありませんか?

自宅で美味しくお肉調理をする解決策を記述していきます。

肉と菌

まず押さえておきたいのは、生肉には食中毒菌が付着しているという前提です。

これは牛、豚、鳥などの種類や鮮度は関係なく、付着しています。

※種類別の付着状況については後述します

ちなみに市販の国産鶏肉では、カンピロバクターが5~7割程度汚染しているという報告もあります。

発症するにはどのくらいの菌数が必要?

食中毒菌を数個個摂取しただけでは発症しません。

発症するにはある程度の菌量が必要で、少ない菌量で発症するものと、多くの菌を摂取しないと発症しないものがあります。

体調や抵抗力、大人と子どもの違いなどもありますが、サルモネラ属菌は通常1万~10万個程度の菌量を摂取すると発症します。

それに対して、腸管出血性大腸菌O157は100個程度の少ない菌量でも発症します。

生肉の汚染菌が包丁やまな板などを介してサラダに付着し、食品中で増殖しなくても、発症する場合があります。

また、食中毒患者の便(1g)の中には数百万個以上の菌が存在しており、トイレや洗面所などでの人から人への感染には注意が必要です。
また、食品中で増殖しないノロウイルス(カキなどの二枚貝に汚染していることが報告)も、非常に少ないウイルス量で発症するので、人から人へ感染するケースが多くみられる。

以下、代表的な菌

菌の増殖する温度

細菌は10~60℃の温度帯で増殖しますが、特に35℃付近が一番増殖しやすい温度帯です。細菌は栄養、水分、温度の3条件が揃うと時間とともに爆発的に増殖します。(梅雨時期のイメージ)

細菌の多くは高温多湿な環境で増殖が活発になりますが、10℃以下では増殖がゆっくりとなり、マイナス15℃以下では増殖が停止します。細菌が増殖しない温度まで素早く冷却する必要があります。

牛はなぜレアで食べれる?

牛肉は、鶏や豚と異なり、肉の内部に菌や寄生虫が存在することがほぼありません。

そのため、食中毒の危険性は極めて低く、ステーキならば表面にしっかりと火が通っていれば問題ありません。

ただし、食中毒菌は、時間とともに牛肉の表面から内部に浸透していくので、子供や高齢者など食中毒に対する抵抗力の弱い方は、中までしっかり焼いて食べましょう。

鳥刺しは?

鶏肉には生食用の基準はありませんが、加熱調理が前提です。鶏肉にはサルモネラ菌による汚染のリスクが高く、生食用(鳥刺し用)のもの以外は危険です。

鶏肉や鶏レバーには、カンピロバクターが高い確率(67.4%)で付着しており、数百個程度の少ない量の菌を摂取することにより発症します。カンピロバクターによる食中毒は、食べてすぐに症状が出るものではなく、食べてから2日~7日間の潜伏期間の後、下痢や腹痛、発熱などの症状を引き起こします。

特に、幼児や高齢者などの抵抗力の弱い方がカンピロバクター食中毒になると、重症化することがあるため、注意が必要です。

鳥刺しは?

地域によって鳥刺しやタタキを常習的に食べる地域があります。

九州が多いため、いも焼酎などでアルコール消毒されているなどの言い伝えはありますがそんなわけはなく笑

カンピロバクターは内臓や腸に生息しているので、まず、内臓を摘出し、洗浄殺菌を行った後、表面を焼烙殺菌するという処理がされています。

低温調理

ポイントは以下に菌を死滅させるかとなり、以下が死滅の目安となります。

63°Cで30分間以上、70°Cで3分間以上、75°Cで1分間以上

A.「75°C、1 分」と同等な加熱殺菌の条件として、「70°C、3 分」、「69°C、4 分」、 「68°C、5 分」、「67°C、8 分」、「66°C、11 分」、「65°C、15 分」が妥当と考えら れます。

菌の付着場所が異なるため肉の種類によって温度は変わりますが、牛の場合は、

レア【内部温度の目安:55~65℃以下】

ミディアム/レア【内部温度の目安:65℃】

ミディアム【内部温度の目安:65~70℃】

ウエルダン【内部温度の目安:70~80℃】

お肉をジュ―シ―にやわらかく仕上げるには、お肉の中心温度が65℃を超えないようにすることがポイントです。この65℃を超えてしまうと、お肉の中にあった旨みの肉汁がどんどん外に流出してしまい、お肉がかたくなってしまうのです。

高音で焼けば菌は死滅しますが旨みも抜けていきますので、温度と闘いながら美味しい調理をしてください。

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